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「人づきあいに苦手意識があるのは、なんでだろう?」
「子供に無性にイライラしてしまうのは、なんでだろう?」
など、心のもやもやを感じることってありませんか?
カウンセリングにお越しになる方の悩みの原因で、非常に多いのが「アダルトチルドレン」です。
この記事では、よく本やネット記事などに書いてあるような教本的なアダルトチルドレンの説明ではなく、
7,000回以上のカウンセリングを行ってきた心理カウンセラーから見た「アダルトチルドレンの特徴」について紹介します。
執筆者:三浦 くみ子
株式会社エムズNEXT 代表取締役
日本メンタルコーチング学院 学院長
エムズルーム 代表カウンセラー
発達障害専門家、親子関係専門心理カウンセラー
心理カウンセラー、メンタルコーチ、心理スクール講師、講演会講師、Youtube など、「心理技術でより良く生きる」ことを多くの方に広めるために様々な活動を行っている。
アダルトチルドレンとは
「アダルトチルドレン」は医学用語でも、病気の名前でもありません。
生まれてすぐから小中学生までの子ども時代に、
自分らしく、子どもらしく過ごせない日々を送っていた子が、
周りの大人(主に養育者)とうまく生活するために開発した、生き抜く為の知恵をもっている状態のこと。
また、子どもにとっての危機を乗り越えるための知恵を、大人になってからも使い続けることによって、大人として他人と関わる時に、色々な難しさを生んでしまう状態。
これが三浦のカウンセリング経験から見た、アダルトチルドレンです。
アダルトチルドレンと一言で言ってもいくつかのタイプが見られますが、「自己肯定感が低い」というのがすべての方に共通する特徴です。
2つのタイプのアダルトチルドレン
アダルトチルドレンは大きく分けて、
「世渡りが上手で、メリットになっているタイプ」と「生きづらさを感じてデメリットになっているタイプ」の2つがあります。
一つずつ特徴を見ていきましょう。
いくつかピンとくるものがあれば、あなたはアダルトチルドレンの傾向があるかもしれません。
【世渡り上手なタイプ】
- 人の意見に合わせるのが得意なので、ひいきにしてもらえることがある
- 人の細かいことを気にしないので、誰とでも合わせることができる
- 自分がどう立ち回れば事を収められるかを、考えるのが上手
- 立場を持つと、命令して従わせるのが上手い
- 役割を与えられた時に、予想以上に張り切るので、周りには重宝される
- 「~の母」と言われる位、その道のスペシャリストになる
- 「休んでるのを見たことがない」と言われる位、働き続ける
- 周りの人が怖がる人でも、合わせることができる
- 辛い人の話を聞いてあげるのが上手
- 自分の大変な事は、(心の中で)このくらい大したことがないと思いがち
- 人が喜ぶことは、無理でもやってしまう
- 周りが幸せならいいのだ、と心から思っている
- 一生懸命努力することに価値を置いているので、仕事を身体を壊しても頑張る
- 完璧さを求めるので、仕事が丁寧
- 本当は疲れていても、嫌いでも、強くあろうとがんばる
- テレビドラマの家族シーンを見て「あれはテレビだからね」とあり得ないこととする
ここまで読んで、ただの世渡り上手な人じゃない?と思ったかもしれませんが、こういうことを、自分を尊重せずに、自分を犠牲にしてでもやってしまうというところが困ったことなのです。
【生きづらさを感じるタイプ】
- 自己肯定感が低い
- 親のことを悪く思うことに罪悪感がある
- 完璧を目指しすぎて疲れてしまう
- 自分が楽しいと思うことに興味を示せない
- 恋人や上司など特定の相手に依存しやすくなる
- 頑張っているのに注意されると、大きくとらえて攻撃的になる
- 頑張っているのに注意されると、自分はダメなんだと落ち込みやすい
- 自分のやった結果に満足できず、「これじゃダメなんじゃないか」となかなか納得できない
- 一生懸命努力しない人を見ていると腹が立つ
- 「NO」が言えない
- 他人を喜ばせないことはあり得ないと思ってる
- いつも急がないと落ち着かない
- うまくいかないと分かると、完全に逃げたくなる
- 完璧だと感じられないと、作業がやめられない
- 強い人間でないと価値が無いと思ってしまう
- 他人に認めてもらえないことは、やりたくない
- 縁の下の力持ちばかりやろうとする
- 自分は誰かと親密な人間関係を築けると思っていない
- どんな手段を使っても自分を見てもらおうとする
- 変な行動をとってでも注目を集めたくなる
- 感情の波が激しく、怒ったり落ち込んだり忙しい
- 対等ではない恋愛関係を求めてしまう
- 自傷行為をおこなう
「世渡り上手タイプ」と「生きづらいタイプ」の特徴
世渡り上手タイプの特徴
世渡り上手なタイプの方は、アダルトチルドレンの特徴が日常生活でのメリットとなっています。
そのため、自分がアダルトチルドレンであることに気づかなかったり、特に生きづらさを感じていないケースが多いのです。
しかし、上手に世渡りできており、他人からも評価をもらっているはずなのに、「自己肯定感が低くなぜか自分に自信が持てない。」「言葉にできない不安が常にある」「他人から認められないと自分には価値がないと焦ってしまう」など、原因のわからない不安を抱えている方が多いのです。
自己肯定感が低いと、「自分にはまだ足りない」「優れているこの人についていけば大丈夫」と、終わりのない努力を続け、どこかで疲れてしまうかもしれません。
一度立ち止まって、原因を癒してあげることで「私は今のままでも十分大丈夫」と思えるようになり、本物の安心と自信に出会うことができるのです。
生きづらさを感じるタイプの特徴
生きづらさを感じるタイプは、ネットでも頻繁に取り上げられるタイプといえるでしょう。
しかし、多くの方が「幼少期の親からの愛情の受け方に問題があった」とは思っていません。
「自分の親は毒親だった」と思っている方は非常にまれです。
その一番の原因は、「他の家庭での親子の関係を知らない」からなのです。
知らないのは、健常な家庭で育った人も同じですが、家族の在り方は100件あれば、その関係も100通りあります。正しい家庭はありませんが、その中でも子供の一生を左右する、間違った子育てというものもあるのです。
子どもにとって親の存在とは、生死を揺るがす非常に大きなものです。決して親のことを悪く思う必要はありません。
しかし、「ご飯を作ってくれたから。学校に通わせてくれたから。習い事も習わせてくれたから。うちの親はいい親だった。」と単純に考えるのではなく、自分の中に眠る傷に気づいてあげて、「もう大丈夫だよ。よく頑張ったね。あなたのおかげで今の私がいるんだよ。ありがとう。」といたわってあげることで、新たな生き方を見つけることができるのです。
アダルトチルドレンになる原因
アダルトチルドレンは、生まれてすぐから小中学生ころまでの、親子の愛着の形成に関する不具合によって生じます。
子ども側の問題ではまったくなく、親側の子供への関わり方が愛着の問題を生じさせるのです。
しかし、親自身もアダルトチルドレンの場合が多く、愛着の形成がうまく成されない家庭環境で育ってきた場合がほとんどです。
他にも、両親がケンカばかりしている家庭、離婚でずっと揉めている家庭、経済的困難で家が荒れている家庭など、様々な家庭の状況によっても愛着の問題が発生します。
具体的には、
「自分は愛されている」
「自分は(この家に)居ていい存在だ」
「自分は(この家に)生まれてきたことを歓迎されている」
「自分はいつでも頼れる人がいる」
「その人は自分を裏切らない」
という気持ちを確立できなかったことが、アダルトチルドレンになる原因となります。
アダルトチルドレンを克服するとどうなる?
今までに私と関わり、アダルトチルドレンを克服した方たちは、表情がとても明るくなり、話し方もとても生き生きとして、素敵な毎日を過ごしています。
自分の人生を、自分の為に楽しむようになりました。
また、お子様との関係、旦那様との関係、親との関係も変わり、「つらいけど自分が我慢するしかない」と諦めていた状況にも変化を起こせるようになっています。
克服に取り組む前は大きな不安を感じていたり、「自分はアダルトチルドレンではないと思っていました」という方も多いのです。
それでも何か心のもやもやを感じていたり、理由はわからないけれど心理を学びたい気持ちになったり、心理カウンセラーという職業に憧れていたり、様々なきっかけで一歩踏み出し、新しい自分を手に入れています。
具体的に起こった変化の一部を紹介します。
- 心のもやもやの原因が分ようになった
- 自分の意見が言えるようになった
- 自分の気持ちを大切にできるようになった
- 自分の判断を信じられるようになった
- 「これやったら○○って思われるかな」というプレッシャーから解放された
- 人に自然に甘えられるようになった
- 人の甘えを受け入れられるようになった
- 自分で自分を認められるようになった
- 自分っていいもんだな、と自然に思えるようになった
- 自分優先で物事を考えられるようになった
- 子どものやることを見守れるようになった
こんな風に生きられるようになったらどうでしょう?
「それはわがままじゃないんですか?」「やったことがないから分からない」「自分を大切にするってどういうこと?」
こんな不安をお持ちの方も大丈夫です。仲間と一緒に一歩踏み出してみませんか?
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執筆者:三浦 くみ子
株式会社エムズNEXT 代表取締役
日本メンタルコーチング学院 学院長
エムズルーム 代表カウンセラー
発達障害専門家、親子関係専門心理カウンセラー
小学校のスクールカウンセラーとして6年間勤務したのち、2011年個別カウンセリングルーム「エムズルーム」を開業。
親子関係の悩み、家族関係の悩み、人間関係の悩みを中心に扱っており、子どもから、子育てに悩むお母さん、親との関係に悩む男性・女性、仕事に悩む男性・女性など幅広いお客様へ6,000回以上のカウンセリングを行い、の人生を良くするお手伝いをしている。
2016年に日本メンタルコーチング学院を開校し、多くの方へカウンセリング知識と技術を提供している。
スクールカウンセラーや心理カウンセラーとしての経験を活かし、「すぐに使える変化を実感できる」「癒されながら学べる」授業を提供している。
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